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PSYCHEXP
チュートリアル

(ESM) 経験サンプリング法 プログラミング技術は要りません。
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概観

このチュートリアルでは、Psychexpで経験サンプリング法調査を作成するための基本の手順を説明します。

PsychexpのESMは、調査者側の利便性と回答者側の参加しやすさの両方を備えた、理想的な調査プラットフォームです。PsychexpのPWAアプリを通じて回答タイミングをお知らせする通知を行い、Webブラウザ上で回答するというしくみによって、確実なリーチと高い回答率を実現しました。多様なタイプのESMに対応、カスタマイズ性の高さも特長です。

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注意: PsychexpのESM機能は、教育目的を主として提供しており,授業内でのデモンストレーション等の使い方を想定しています。本格的な研究としてESM調査を実施する際は,ESM専用ソフトウェアExkumaをご使用ください。
PWA(プログレッシブウェブアプリ)とは? 1
1 - PWA(プログレッシブウェブアプリ)とは?

ESMプロジェクトでは、調査参加者にアンケートに回答する時間であることを知らせるために、何らかのかたちで通知することがあります。Psychexp ESMプラットフォームは、PWA(プログレッシブウェブアプリ)を利用して、通知(シグナル)を回答者の携帯デバイスに配信します。

PWAは、極小サイズのjavascriptプログラムです。URLリンクからダウンロードされ、デバイスのWebブラウザにアドオンのようにインストールされます。インストールされたPWAは,デバイス画面上では一般的なアプリ(アプリストアからダウンロードするもの)とまったく同じように見えます。ただしそれは「見た目だけ」で、実際にはWebブラウザのウィンドウに過ぎません。これによって、調査参加者は通知(シグナル)を受信することができ、アンケートに回答する時間になるとデバイスに通知が表示されます。

一般的なアプリ(アプリストアからダウンロードするもの)はサイズが大きく,数百メガバイトの空き容量を必要とします。Psychexp PWAは、ブラウザにjavascriptをインストールするだけなので,数百キロバイトの空き容量があれば充分です。もうひとつ一般的なアプリと異なる点として、Psychexp PWAは回答者のデバイス上の他機能へのアクセス許可を必要としません。Webブラウザに通知を受け取る許可のみを要します。PWAは、IOS(Safari)またはAndroid(Chrome)端末のいずれにもインストールできます。PWAの技術と通知機能は、Androidでは数年前から利用可能になっています。ただし,IOSでPWAに通知を送信する機能は比較的最近に搭載されたため、正常に動作させるにはIOS 16.4以上が必要です。

PWAのインストールのしかたは簡単で,短時間で済みます。インストール後、調査参加者は4桁のコードを入力するだけでESMプロジェクトに参加登録できます。(ただし、メールアドレスによる登録を要するESMプロジェクトの場合は、アドレス入力も必要になります。)4桁のコードとPWAのダウンロードリンクは、いずれも登録用Webページに表示されます。したがって,登録用Webページを開くためのURLリンクまたはQRコードを提供するだけで、調査参加者はプロジェクトに参加登録できます。

PWAをインストールすると、デバイスのホーム画面にアイコンが表示されます。このアイコンを押すか、あるいは端末に届いた通知を回答者がクリックすると、PWAが開きます。PWAを開くと、現在および過去のすべての通知(シグナル)の一覧が表示されます。この通知(シグナル)をクリックすると,対応するESM調査ページがブラウザウィンドウで開きます。

経験サンプリング法 ご自身のモバイル端末にPsychexp PWAをインストールして通知の送信を試したい場合は、まずモバイル端末でこのWebページを開いてから以下のリンクをクリックし,PWAをインストールしてください。
Psychexp PWA

 
2 - 作成できるESMの種類

PsychexpのESMは、自由度が非常に高いことが特長です。いくつかの設問セットを作成し、シグナルごとに異なる設問セットを割り当てられます。ESMの設問セットには、他の種類のPsychexpプロジェクトと同じ機能を使用でき,実験課題(IATなど)を組み込むこともできます。

例えば、事前調査1回、ESM:朝・夜1回ずつ×4日間、事後調査1回という調査スケジュールを組んだとしましょう。アドバンストESMを使うと、ひとつのプロジェクトの中に、事前調査・ESM・事後調査の各設問セットを作成できます。また、朝用と夜用の設問セットを異なる内容にすることや、すべてのシグナルに毎回異なる設問セットを表示すること等も可能です。

新しいプロジェクトを追加 3
3 - 新しいプロジェクトを追加

ESMプロジェクトの作成は簡単です。「新しいプロジェクト」をクリックしてから、プロジェクト名を入力し、「プロジェクトの種類を選択」のドロップダウンから「ESM」を選択するだけです。

プロジェクトを作成したら、他のPsychexpプロジェクトと同様に編集できます。編集のしかたの詳細については、チュートリアルの「はじめての方へ」をご覧ください。

設問セット
4 - 設問セット

設問セットを作成するときには、事前の計画をよく練ることが大切です。

  1. まず、ESM調査スケジュールを入念に計画します。
    • 例えば、DAY1に事前調査1回、DAY2~5にESM(3回×4日間)、DAY6に事後調査1回、など。
  2. 次に、いくつの設問セットが必要になるのかを検討してください。
    • 例えば、事前調査・ESM・事後調査の3つの設問セットが必要、など。
  3. 続いて、複数の設問セットに部分的に重複する内容があるかを確認します。
    • 例えば、事前調査と事後調査の設問セットは大半の内容が重複している、など。
  4. 最後に、データセット上でどのような順番で回答を並べたいかを検討します。
    • ESMでは、すべての設問セットの回答がひとつのデータセット(CSVファイル)にまとめられます。
    • 設問セット1・2・3...の順番、かつ各編集画面で上から下へと並んだ順番に従って、左から1行ずつ回答が並びます。
    • 回答した設問セットの部分のみ回答値が入力され、それ以外の設問セットの部分の列は空白セルとなります。
    • たとえば、事前調査→ESM→事後調査というデザインの場合、設問セット1をESM、設問セット2・3をそれぞれ事前調査と事後調査に割り当てることをお勧めします。データセットにおいて、送信日時・シグナル順序などに続いて設問セット1(ESM)の回答が並ぶため、ESMの回答状況の確認や、マルチレベル分析のためのデータ加工が容易になるためです。

上記の計画を立ててから、以下の手順で各設問セットの作成を進めましょう。
プロジェクトの編集画面を開くと、上部に「設問セット」のセクションが表示されます

「設問セット」のセクションのすぐ下には、「設問セット1」の編集画面が表示されています。
ここには、「デフォルト・ブロック」の中に「単一選択」設問の編集ボックスが1つだけ表示されています。この設問を編集し、さらにブロック・設問・実験などを追加すれば、[設問セット1]の完成です。

  • 事前調査→ESM→事後調査の調査スケジュールの場合、「設問セット1」でESMの設問を作成することをお勧めします。

「設問セットを追加」ボタンを押すと、新たに「設問セット2」が作成されます。
上記と同様に、「設問セット2」に含まれる設問を作成してください。

  • 事前調査→ESM→事後調査の調査スケジュールの場合、「設問セット2」で事前調査の設問を作成することをお勧めします。

「この設問セットを複製」ボタンを押すと、表示されている設問セットの内容が新しい設問セットにすべてコピーされます。
たとえば、「設問セット2」を複製すると、全く同じ内容の「設問セット3」が作成されます。

  • 事前調査→ESM→事後調査の調査スケジュールを組み、事前調査と事後調査の内容に重複がある場合、「設問セット2」を複製して「設問セット3」を作成すると手間を減らすことができます。

「この設問セットを削除」ボタンを押すと、表示されている設問セットがすべて消去されます。
設問セットを一度削除すると、あとから復元できませんので、ご注意ください。また、設問セットが1つだけの状態で削除しようとした場合や、シグナル設定において当該の設問セットがいずれかのシグナルに割り当てられている場合には、エラーメッセージが表示され、削除できません。

シグナル設定
5 - シグナル設定

設問セットが完成したら、プロジェクト設定ページでESMシグナルを作成します。シグナル設定のしかたは、ESMの種類によって異なります。
以下、順に説明します。

日毎にシグナル設定

「日毎にシグナル設定」ESMでは、ひとつひとつのシグナルについて、送信日(DAY#)・送信時刻・設問セットを設定します。

シグナル設定を始める前に、調査スケジュールを入念に作成しましょう。
下図を参照しながら、調査スケジュールを図に描いて整理してください。

スケジュール作成のコツ

  • シグナル番号(シグナル1・2・3…)は、送信される順番どおりに並べます。
  • それぞれのシグナルに、送信日(DAY#)・送信時刻・設問セットを設定します。
  • シグナルの無い DAY# があっても構いません。参照:下図の「DAY 3」
  • 送信時刻の番号(送信時刻1・2・3…)は、送信される順番どおりでなくても構いません。
  • 固定時刻に送信されるシグナルを設定できます。参照:下図の赤枠部分「送信時刻1」「送信時刻3」
  • ランダムな時刻に送信されるシグナルを同日中に複数設定できます。参照:下図の水色部分「送信時刻2」

日毎にシグナル設定

最初のシグナルが送られるタイミングにご注意ください。

  • 送信開始日が設定されている場合は、送信開始日がDAY 1となります。DAY 1にシグナルが設定されていれば、すべての回答者が送信開始日に最初のシグナルを受け取ります。
  • 送信開始日を設定していない場合は、回答者が参加登録を完了した翌日がDAY 1となります。DAY 1にシグナルが設定されていれば、それぞれの回答者が参加登録した翌日に最初のシグナルを受け取ります。
  • DAY 1にシグナルが設定されず、DAY 2以降に最初のシグナルが設定されている場合は、送信開始日/登録翌日をDAY 1と数えて、最初のシグナルが設定されたDAYに至ったタイミングで最初のシグナルが送信されます。

    例)シグナル#1を DAY 1 に設定した場合:
    送信開始日を1月1日に設定すると、最初のシグナルは1月1日に送信されます。
    送信開始日を設定せず、回答者が1月1日に参加登録した場合、最初のシグナルは登録翌日の1月2日に送信されます。

調査スケジュールの図が作成できたら、その計画にしたがってシグナルを設定します。

  1. まず、送信時刻を設定しましょう。

    スケジュール図にしたがって、必要な数の送信時刻を作成します。
    下図は、先に示した「日毎にシグナル設定」ESMの一例のスケジュール図にしたがって作成・設定した送信時刻です。

    • ある送信時刻について開始時刻のみ定めると(終了時刻は00:00と設定)、固定時刻の送信となります。参照:下図の「送信時刻1」「送信時刻3」
    • ある送信時刻について開始時刻と終了時刻を定めると、その範囲内でランダムな時刻に送信されるシグナルを設定できます。参照:下図の「送信時刻2」
    • 最小間隔は、ひとつの送信時刻(開始・終了時刻を定めた時間帯)の中にランダムな時刻に送信されるシグナルを複数設定した場合のみ有効です。それ以外の場合は、最小間隔を「0」とすると良いでしょう(他の数値を設定しても影響はありません)。
    • リマインダーとタイムアウトは、固定時刻・ランダムな時刻のいずれにも設定できます。
    • リマインダー: 初回のシグナルを送ってから一定時間後に、未だ調査URLにアクセスしていない回答者に宛てて、二回目のシグナルを送ることができます。これを「リマインダー」と呼びます。このリマインダーとしてのメッセージの内容は、初回のシグナルと全く同じです。これは回答忘れを防ぐためのしくみであり、設定することによって回答率を一段と高めることができます。
    • タイムアウト: 初回のシグナル(リマインダーではない)が送信されてから、調査URLにアクセスして回答を始めることのできるタイミングがいつまでなのかという時間制限を設定できます。ここで「30」と設定した場合、初回のシグナルが9:05に送信されたら、9:35まではメッセージに記載されたURLにアクセスして回答を始めることが可能です。それ以降になるとタイムアウトとなり、「回答を始める」というボタンをクリックしても設問は表示されません。そのかわりに基本設定において「調査リンクの有効期限が切れたときのメッセージ」として設定した文章が表示されます。(例:「このリンクは時間切れにより無効になりました」)
    日毎にシグナル設定
  2. 次に、シグナルを設定しましょう。

    スケジュール図にしたがって、必要な数のシグナルを作成・設定します。

    • この設定をする前に、「プロジェクトの編集」において必要な数の設問セットが作成されている必要があります。
    • ひとつずつ設定を完了させてから次のシグナルを追加することをお勧めします。つまり、下図の#1を設定し「変更を保存」してから、「シグナルを追加」を押して#2を設定して…というように、追加→設定→保存を繰り返しながらシグナルを増やしてください。もし、先にすべてのシグナルを追加してから、#1に戻って設定を変更しようとすると、#番号が送信順序どおりに並ぶというルールに違反するため、エラーメッセージが表示されて上手くいきません。
    • その他のエラーが発生すると、そのエラーの原因となっているシグナルは以下のように色付けて表示されます。赤:タイミング設定に充分な余裕がありません。対応のしかたとしては、シグナル回数を減らす、もしくは、最小間隔を短くするという方法があります。時間帯を変更し、開始時刻から終了時刻までの時間が長くなるように調整することもできます。青:無作為な時刻の範囲設定が、同じ日のもうひとつ別の無作為な時刻の範囲と重複しています。緑:固定された時刻の設定が、同日の同時刻に2つ重複しています。
    • シグナルの設定作業をするときには、応用設定で「シグナル送信の開始日」を指定することをお勧めします。これにより、シグナルが送信される各日に送信日程(〇月〇日)が表示されるようになります。送信のタイミングが正しく設定できているかを確認するときに便利です。開始日設定が不要な場合は、ひととおりの確認を終えた後に、設定を解除してください。
    日毎にシグナル設定
  3. 最後に、「シグナルを試す」機能で確認しましょう。

    シグナル設定がひととおり済んだら、計画どおりの送信スケジュールが組まれているかを確認しましょう。
    シグナル設定のセクションのすぐ下にある「シグナルを試す」ボタンを押してください。設定された内容に従い、DAYごとのシグナル送信時刻の一例が表示されます。

    • 赤字で表された時刻は、固定された時刻のシグナル送信です。
    • 青字で表された時刻は、ランダムな時刻のシグナル送信です。「シグナルを試す」ボタンを押すたびにランダム化がされて、新しい時刻に更新されます。何度かボタンを押して、想定どおりの分布になっているかを確かめてください。
    日毎にシグナル設定

曜日でシグナル設定

「曜日でシグナル設定」ESMでは、各シグナルの送信日を曜日で指定し、送信時刻・設問セットを設定します。

シグナル設定を始める前に、調査スケジュールを入念に作成しましょう。
下図を参照しながら、調査スケジュールを図に描いて整理してください。

スケジュール作成のコツ

  • 「曜日でシグナル設定」の場合、日曜から始まるようにスケジュール図を描きましょう。シグナル設定において、日曜始まりで設定するようにデザインされているためです。
  • 日曜以外の曜日から送信を開始するように設定したい場合(例えば月火水木金土日の順序で送信するとき)であっても、「シグナル設定」では日曜から始まるように1週間分を設定します。さらに「シグナルの送信開始日」を月曜の日付になるように設定することで、月曜から始まる1週間分(月火水木金土日の順序)のシグナル送信ができます。
  • その他のスケジュール作成のコツは、日毎にシグナル設定 で説明した内容と同じです。

曜日でシグナル設定

最初のシグナルが送られるタイミングにご注意ください。

  • 送信開始日が設定されている場合は、送信開始日以降の最初のシグナルが設定されている曜日から、すべての回答者がシグナルを受け取りはじめます。
  • 送信開始日を設定していない場合は、回答者が参加登録を完了した翌日以降の最初のシグナルが設定されている曜日から、それぞれの回答者がシグナルを受け取りはじめます。

    例)シグナル#1を日曜に設定した場合:
    送信開始日を2024年1月1日に設定した場合,最初のシグナル・セットは1月1日月曜に送信され,次のセットは1月3日水曜に送信されます。シグナル送信開始日を設定せず、回答者が2024年1月1日に参加登録した場合、その翌日(2024年1月2日)以降にシグナルの設定されている最初の曜日(すなわち1月3日水曜)に最初のシグナル・セットが送信されます。翌日1月2日に送信され,次のセットは3日後の1月5日に送信されます。

調査スケジュールの図が作成できたら、その計画にしたがってシグナルを設定します。

  1. まず、送信時刻を設定しましょう。

    スケジュール図にしたがって、必要な数の送信時刻を作成します。

    • 設定のしかたは、日毎にシグナル設定 で説明した内容と同じです。
    曜日でシグナル設定
  2. 次に、シグナルを設定しましょう。

    下図は、先に示した「曜日でシグナル設定」ESMの一例のスケジュール図にしたがって作成・設定したシグナルです。

    • 設問セット1は平日昼用、設問セット2は平日夜用、設問セット3は土曜夜用を想定しています。
    • 月曜に#1・2・3、水曜に#4・5・6、金曜に#7・8・9、土曜に#10が割当てられています。
    • 送信開始日を2024年1月1日月曜に設定した場合を表しています。#番号の右側に、送信日程の年月日が緑字で表示されます。
    曜日でシグナル設定
  3. 最後に、「シグナルを試す」機能で確認しましょう。

    シグナル設定がひととおり済んだら、計画どおりの送信スケジュールが組まれているかを確認しましょう。

    • 設定のしかたは、日毎にシグナル設定 で説明した内容と同じです。
    曜日でシグナル設定

月毎の日付でシグナル設定

「月毎の日付でシグナル設定」ESMでは、各シグナルの送信日を月ごとの日付で指定し、送信時刻・設問セットを設定します。

シグナル設定を始める前に、調査スケジュールを入念に作成しましょう。
調査スケジュールの図の書き方は、曜日でシグナル設定 とほぼ同じです。1周期分が1か月になります。

スケジュール作成のコツ

  • 「月毎の日付でシグナル設定」の場合、月の初日(1日)から始まるようにスケジュール図を描きましょう。シグナル設定において、月の初日始まりで設定するようにデザインされているためです。
  • 月の初日以外の日付から送信を開始するように設定したい場合(例えば、ある月の15日で送信を開始して、それ以降毎月1日と15日に送信するとき)であっても、「シグナル設定」では1日から始まるように1か月分を設定します。さらに「シグナルの送信開始日」のところで送信を開始したい日付を設定することで、指定した日付からシグナル送信が始まります。
  • その他のスケジュール作成のコツは、日毎にシグナル設定 で説明した内容と同じです。
最後に、「シグナルを試す」機能で確認しましょう。

シグナル設定がひととおり済んだら、計画どおりの送信スケジュールが組まれているかを確認しましょう。

  • 設定のしかたは、日毎にシグナル設定 で説明した内容と同じです。
曜日でシグナル設定

[N]日周期でシグナル設定

「[N]日周期でシグナル設定」ESMでは、[N]日間に1日の周期でシグナル送信日を指定し、送信時刻・設問セットを設定します。

シグナル設定を始める前に、調査スケジュールを入念に作成しましょう。
下図を参照しながら、調査スケジュールを図に描いて整理してください。

スケジュール作成のコツ

  • 「[N]日周期でシグナル設定」の場合、DAY [N]のみにシグナルを設定できます。それ以外の日程(DAY 1からDAY [N-1] まで)にはシグナルを設定できません。もしDAY1にシグナルを設定した場合には、毎日同じ送信スケジュールを繰り返します。
  • 周期の反復数を「2」以上に設定してください。(「0」に設定した場合は、無期限に周期を繰り返します。)
  • 周期①のDAY [N] から始まり、その翌日から周期②が続くようにスケジュール図を描きましょう。「[N]日周期でシグナル設定」ESMでは、送信スケジュールの初日には必ずシグナル送信があるようにデザインされているためです。
  • もし送信スケジュールの初日にシグナル送信が無いように設定したい場合は、「日毎にシグナル設定」を用いてDAY1にシグナル設定をしない日程を組むとよいでしょう。
  • その他のスケジュール作成のコツは、日毎にシグナル設定 で説明した内容と同じです。

[N]日周期でシグナル設定

最初のシグナルが送られるタイミングにご注意ください。

  • 送信開始日が設定されている場合は、送信開始日からすべての回答者が周期①のシグナルを受け取ります。その翌日から次の周期が始まり、[N]日後にシグナルを受け取ることを繰り返します。
  • 送信開始日を設定していない場合は、参加登録を完了した翌日からそれぞれの回答者が周期①のシグナルを受け取ります。その翌日から次の周期が始まり、[N]日後にシグナルを受け取ることを繰り返します。

    例)N = 3 と設定した場合:
    送信開始日を1月1日に設定した場合、最初のシグナル・セット(1日のうちに送られる1つ以上のシグナル)は1月1日に送信されます。次のセットは3日後の1月4日に送信されます。
    送信開始日を設定せず、回答者が1月1日に参加登録した場合、最初のシグナル・セットは翌日1月2日に送信され、次のセットは3日後の1月5日に送信されます。

調査スケジュールの図が作成できたら、その計画にしたがってシグナルを設定します。

  1. まず、送信時刻を設定しましょう。

    スケジュール図にしたがって、必要な数の送信時刻を作成します。

    • 設定のしかたは、日毎にシグナル設定 で説明した内容と同じです。
  2. 次に、シグナルを設定しましょう。

    下図は、先に示した「[N]日周期でシグナル設定」ESMの一例のスケジュール図にしたがって作成・設定したシグナルです。

    • 設問セット1はESM朝用、設問セット2はESM昼用を想定しています。
    • DAY 3にシグナル1・2・3が割当てられています。
    • 送信開始日を2024年1月1日に設定した場合を表しています。#番号の右側に、送信日程の年月日が緑字で表示されます。
    曜日でシグナル設定
  3. 最後に、「シグナルを試す」機能で確認しましょう。

    シグナル設定がひととおり済んだら、計画どおりの送信スケジュールが組まれているかを確認しましょう。

    • 設定のしかたは、日毎にシグナル設定 で説明した内容と同じです。
    曜日でシグナル設定

編集可能なプロジェクト
6 - 編集可能なプロジェクト

「編集可能なプロジェクト」では、まず参加者にプロジェクトに登録してもらいます。その後、いつでも、何度でも、新しいアンケート(設問セット)を作成し、全員または個々の参加者に回答タイミングを知らせる通知(シグナル)を送信できます。

まず「ESM」と「編集可能なプロジェクト」の違いを説明しましょう。ESMでは、参加者がプロジェクトに登録すると、プロジェクトの編集ができなくなり、設問セットに変更を加えることはできません。編集可能プロジェクトでは、参加者が登録した後でもプロジェクトを編集できます。ただし、ある設問セットについて通知(シグナル)を参加者に送信すると、その設問セットについてのみ編集不可になります。

「編集可能なプロジェクト」の使い方の例を紹介しましょう。

  1. 「編集可能なプロジェクト」を新規作成すると,自動的に「設問セット1」が作成されます。
  2. 「設問セット1」を編集して,ブロック・設問・実験課題などを追加してください。
  3. 参加者にプロジェクトに登録してもらいましょう。
  4. 設問セット1に回答してもらうための通知(シグナル)を、参加者全員または個別に送信します。(すると設問セット1は編集不可になります。) ひとりの参加者に同じ設問セット1を繰り返し回答してもらいたい場合は、設問セット1に回答してもらうための別の通知を、いつでも回答者全員または個別に送信できます。
  5. 新しい設問セットを追加するか、設問セット1を複製したものに編集を加えて、設問セット2を作成してください。
  6. 設問セット2に回答してもらうための通知(シグナル)を、参加者全員または個別に送信します。(すると設問セット2も編集不可になります。)

設問セットを作成したら、「シグナルを送る」ページから参加者に通知(シグナル)を送信できます。

  1. 通知(シグナル)を送りたい参加者を選択してください。
  2. 回答してもらいたい設問セットを,ドロップダウンから選択してください。
  3. 通知(シグナル)を送信する日時を設定します。このフィールドを YYYY-MM-DD HH:mm (デフォルト値)のままにすると、通知は直ちに送信されます。(送信日時を指定した場合、その日時をすでに経過したタイムゾーンにいる回答者は、シグナルをすぐに受信します)
  4. 必要に応じて、リマインダーの値(初めの通知からのリマインダーを送るまでの経過時間)を設定します。(リマインダーは、初めの通知をクリックしていない参加者にのみ送信されます)リマインダーを送信する必要がない場合は、リマインダーの値をゼロに設定します。注意してください: 送信されたリマインダーの数も、シグナル送信数に含めてカウントされますので,月間の上限を超えないようご注意ください。
  5. 必要に応じて、シグナルのタイムアウト(有効期限)を設定してください。(タイムアウトに関する詳細は、上記「5. シグナル設定 > [日毎にシグナル設定])
  6. 「シグナルを送る」ボタンをクリックすると確認画面が表示され、送信前にシグナルの詳細を確認できます。

複数のシグナルを参加者全員もしくは個別に送信するようにスケジュールを設定できます。ただし、一度登録したシグナルは削除できず、選択済みの参加者に送信されるのでご注意ください。

プロヒント: 参加者へのシグナル送信を停止する唯一の方法は、「参加者」ページでプロジェクトから参加者を削除することです。削除された参加者はあとから復元できますが、その場合、復元した日時以降に予定されているシグナルはその日時になると送信されます。(削除から復元までの期間中のシグナルは送信されません)

「編集可能なプロジェクト」の場合、設問セットごとにデータセットが作成されます。データをダウンロードするには「データセット」のページを開き、ドロップダウンメニューから必要な設問セットを選択し、「行の名前」の空欄にすべて入力してから「変更を保存」ボタンを押し、「ダウンロード」ボタンを押してください。

ユーザー・フォーラム

Psychexpの使い方について相談・質問はこちらのフォーラムへ。
https://www.jesma.jp/forum/psychexp-user-s-forum